終点のあの子

當真あみ「心の声を大事にして」中島セナらと語る女子高生のリアルと青春の傷―映画『終点のあの子』公開記念舞台挨拶

2026年1月24日、テアトル新宿にて映画『終点のあの子』の公開記念舞台挨拶が開催された。柚月麻子の鮮烈なデビュー作を映画化した本作は、女子高生の切実な心情を残酷かつリアルに描く青春群像劇だ。イベントには主演の當真あみ、中島セナ、平澤宏々路、南琴奈、吉田浩太監督が登壇。満員の観客を前に、撮影当時の心境や役柄に込めた思い、さらにはキャスト自身の「青春の後悔」までを語り尽くした熱気あふれるイベントの様子をお届けする。

■ 映画『終点のあの子』公開記念舞台挨拶

▼女子高生特有の「リアルな距離感」と「残酷さ」
上映直後の熱気に包まれる中、主人公・希代子を演じた當真あみは、舞台裏で観客の拍手を聞き感極まった様子を見せた。本作の見どころの一つは、高校生特有の揺れ動く自意識の生々しさだ。當真は、劇中で同級生からの呼び名が急に「“さん”付け」に変わるシーンを挙げ、人間関係の流動性や残酷さに「鳥肌が立ちました」と振り返った。これについて吉田浩太監督は、「親密な関係から一気に距離ができる残酷さは演出上、特に意識した」と語り、クラスのリーダー格・恭子を演じた南琴奈も、この心理描写の変化がリアルで印象的だったと共感を示した。

衣装に込められた「色」の物語
この日、キャスト陣はそれぞれのキャラクターイメージに合わせたワンポイントカラーを身につけて登壇した。當真は「赤」、中島は「青」、平澤は「オレンジ」、南は「ピンク」を取り入れた衣装を披露。
吉田監督による色の解説は興味深い。中島演じる朱里の「青」は自由の象徴であり、希代子が着る「赤」は朱里への憧れと愛憎の反転を表現しているという。また、大学生になった奈津子(平澤)が着る「オレンジ」には、恭子の「ピンク」の世界に入ることや、希代子に対する「自分の色を見つけなさい」というメッセージなど、色が物語の心情変化と深く結びついていることが明かされた。

キャストが語る「青春の後悔」と役へのエール
イベント中盤では、作品のテーマにちなみ「取り返しのつかないこと」や「今なら絶対にやらないこと」が話題に。當真が「中学時代の部活で日焼け止めを塗らなかったこと」を挙げて会場を和ませる一方、中島は「毎日は取り返しのつかないことの連続。一瞬一瞬を大切にしたい」とポジティブな姿勢を見せた。


また、自身が演じた役への言葉を求められると、當真は周囲に流されがちな希代子に対し、「焦らずに自分の心のままに動いていてほしい」とエールを送った。一方、平澤は撮影終了時にプロデューサーの言葉に涙した経験を明かし、孤独を感じていた奈津子に「大変だったね、苦しかったよね」と声をかけたいと語った。

「青いノートの傷」が象徴するもの
最後に、吉田監督は劇中の重要アイテムである「青いノート」につけられた一本の傷に触れ、それこそが「この映画のテーマ」だと明かした。「人間誰しもああいう傷が心に生まれる」と語る監督は、映画を単なる物語としてではなく、観客自身の心の傷や体験と重ね合わせて受け止めてほしいと呼びかけた。
當真もまた、劇中の登場人物たちの姿は観客の日々にも重なると指摘し、「自分の心の声を一番に大事にしてほしい」と力強く訴え、イベントを締めくくった。


映画『終点のあの子』

《Story》
私立女子高校の入学式。中等部から進学した希代子と奈津子は、通学の途中で青い服を着た見知らぬ女の子から声をかけられた。
高校から外部生として入学してきた朱里だった。父は有名カメラマン、海外で暮らしてきた朱里を希代子は気になって仕方がない。
朱里は学校では浮いた存在でありつつも、羨望の眼差しで見られていた。希代子は朱里と一緒に共に時間を過ごすような仲になり、「親密な関係」になったと思っていた矢先、希代子は朱里の日記帳を見つけるー。

《作品詳細》 
原作:柚木麻子『終点のあの子』(文春文庫)
監督・脚本:吉田浩太
出演:當真あみ、中島セナ
平澤宏々路、南琴奈
新原泰佑、小西桜子、野村麻純、陣野小和/深川麻衣、石田ひかり

原作:柚木麻子『終点のあの子』(文春文庫)
監督・脚本:吉田浩太
プロデューサー:前信介 協力プロデューサー:小宮誠
撮影:中島唱太 照明:土山正人 録音:岸川達也
音楽:茂野雅道 助監督:川松尚良 美術:中村哲太郎 
スタイリスト:小宮山芽以 ヘアメイク:岩鎌智美 スチール:濱田英明
企画協力:文藝春秋 配給協力:SPOTTED PRODUCTIONS 宣伝:山口慎平 平井万里子
製作・配給:グラスゴー15 ©2026「終点のあの子」製作委員会
公式HP:http://endof-theline.com
公式X(旧Twitter):https://x.com/endof_the_line_?s=21
公式Instagram:https://www.instagram.com/shuten_jp/

2026年1月23日(金)より、テアトル新宿ほか全国公開

この記事を書いた人 Wrote this article

Hajime Minamoto

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