「BLアワード」受賞の大人気コミックを実写化した映画『羊の皮を着たケモノ』が、第39回東京国際映画祭の特別招待作品としてワールドプレミア上映された。10月28日にTOHOシネマズ日比谷で行われた舞台挨拶には、W主演を務めた鈴木伸之と柏木悠(超特急)、そして楊礼平監督が登壇。初共演となった二人が互いの印象や役作りへのこだわり、撮影現場での心温まるエピソードを明かした。12月11日の全国公開に向けて大きな期待が寄せられた本イベントをレポートする。

満席の会場で語られた完成の喜びと初共演の互いの印象
10月28日、第39回東京国際映画祭の特別招待作品に選出された映画『羊の皮を着たケモノ』のワールドプレミア上映がTOHOシネマズ日比谷で開催され、本編上映後の舞台挨拶にW主演の鈴木伸之、柏木悠(超特急)、そしてメガホンを取った楊礼平(ヤン・リーピン)監督が登壇した。満席となった会場に向け、鈴木は「ワールドプレミアにお越しくださり心から感謝している。作品の魅力をさらにお伝えしたい」と挨拶。レッドカーペットでの大雨に触れて室内での晴天を和やかに語った柏木は「皆さんと一緒に楽しい時間を過ごしたい」と笑みを浮かべ、楊監督も感謝の言葉を述べた。

初共演となったお互いの印象について、鈴木は柏木の真摯な姿勢を絶賛。「一生懸命で役柄の人物と重なる部分も多かった。プレッシャーもあったはずだが、現場で太陽のように明るくいてくれたおかげで最後まで楽しく走り抜けることができた」と振り返った。これに対し柏木も「本当に優しく、初めて会った時に連絡先を聞いてくださったり、クランクイン時に『一緒に本読みする?』と声をかけてくれた。その優しさに救われ、一緒にできて幸せだった」と応じ、撮影初期から築かれた強い絆と信頼関係を明かした。


複雑な役柄へのこだわりと温かい撮影現場のエピソード
脚本を読んだ際の印象やキャラクター作りについて、複雑な家庭環境を持つ完璧なイケメン・井川淳を演じた鈴木は「台本から複雑な経緯を感じたため、目に光が入っていない人物にしたいと考えた。目線のやり取りや空気感など、撮影中に生まれたものを大切にして創り上げた」と独自の役作りを告白。一方、純粋で真っ直ぐな大学生・日下部大地を演じた柏木は「大地の純粋さをどう体現するか悩んでいたが、現場で鈴木さんのお芝居を受けて自然と表現することができた。本当に鈴木さんのおかげだった」と語り、互いの表現を引き出し合いながら役に向き合った過程を振り返った。

撮影中の印象的なエピソードとして、二人はほとんどのシーンで共演しており、控え室でも一緒にお弁当を食べながら台本について話し合っていた思い出を披露。一回り以上離れた年齢差を考慮し、鈴木が「やりづらいところはないか」と積極的に声をかけて意思疎通を図っていたことが明かされた。柏木は「ささやかな疑問や不安に気づいて環境を整えてくれたことが嬉しかった」と深くうなずき、終始和やかなトークで客席を温かい雰囲気に包み込んだ。
監督のこだわりと作品に込められた誠実な眼差し
原作コミックの実写映像化にあたり、楊礼平監督は「素晴らしい原作と二人の現場でのやりとりを大切にしながら、映画としての表現を追求した。意見を交わしながら一緒にキャラクターを構築していった」と制作のこだわりを語った。第36回東京国際映画祭で「Amazon Prime Video テイクワン賞」を受賞し、本作で商業映画デビューを果たした楊監督は、大勢のベテランスタッフとともに挑んだ撮影について「さまざまな挑戦と学びがあり、非常に楽しい経験だった」と手応えを覗かせた。
完成した本編を観た感想について、鈴木は「現場で撮影していた以上に心が温まり、素晴らしい作品に出会えた感謝がある」と感慨深げに語り、柏木も「緊迫感や心情が映像から伝わり、心が揺さぶられるような感覚で見ていて楽しかった」と作品の完成度に胸を張った。舞台挨拶の締めくくりとして、12月11日の全国公開に向け、鈴木は「様々な縁を感じる大切な一作」、柏木は「誰かの心を救うような作品」、楊監督は「少しでも長く心に残る作品になってほしい」と観客へメッセージを送った。また、東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの市山尚三氏も「不安定な状況にある若者たちの関係を誠実に見つめるスタンスが明確に打ち出された作品であり、キャリアの転機となるのではないか」と期待のコメントを寄せた。
作品紹介『羊の皮を着たケモノ』
映画『羊の皮を着たケモノ』は、九號氏による大人気BL漫画を原作に、甘い青春ロマンスとスリリングなサスペンスが交錯する新感覚のボーイズ・ラブ作品である。
物語の主人公である大学生の日下部大地は、姉が婚約者として連れてきた完璧なイケメン・井川淳と出会う。非の打ちどころがない井川に当初は不信感を抱く大地だったが、養子である自身の境遇や就職活動の悩みに優しく寄り添う井川に次第に惹かれていく。しかし、心を通わせていく中で、井川が隠し持つ衝撃的な裏の顔が次第に明らかになっていく。
本作はAmazon MGMスタジオが製作を手掛け、配給はパルコが担当する。2026年12月11日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開される。キャストにはW主演を務める鈴木伸之と柏木悠(超特急)のほか、久間田琳加、齊藤なぎさ、吉村界人、根岸季衣、霧島れいかが名を連ねる。監督は楊礼平が務め、脚本はなかやまえりかと伊賀大嗣、音楽は坂本秀一が担当する。原作は徳間書店Charaコミックス刊の九號著『羊の皮を着たケモノ』であり、単行本は3巻まで刊行されている。
映画『⽺の⽪を着たケモノ』
<物語>主⼈公の⽇下部⼤地は、姉が突然婚約者として連れてきた井川という男性に出会う。
井川は⼀流企業に勤める魅⼒的で完璧なイケメン。そのあまりに⾮の打ちどころのない井川がわがままでガサツな姉と結婚することに不信感を抱く⼤ 地。いずれ義理の兄になる井川は、⼤地の就活の悩みや、⾃分が養⼦だという家庭環境も親⾝に聞いてくれる。井川が就職活動や⼈⽣のアドバイス をする中で、⼤地は徐々に井川に惹かれていく。⽗を知らない⼤地は、年上の優しい井川に少しずつ懐いていき、気がつけば姉より頻繁に会うようにな る。そんなある⽇、⼆⼈で映画を観に⾏った帰りに、井川の部屋を初めて訪れる。浮かれて酒に酔い潰れた⼤地はうっかり寝てしまい…!?
キャスト︓鈴⽊伸之、柏⽊悠(超特急)、久間⽥琳加、⿑藤なぎさ、吉村界⼈、根岸季⾐、霧島れいか 原作︓九號「⽺の⽪を着たケモノ」(徳間書店 Chara コミックス刊)
監督︓楊礼平(ヤン・リーピン)
脚本︓なかやまえりか 伊賀⼤嗣(STORY LABO WRITERSʼ ROOM) ⾳楽︓坂本秀⼀
製作︓Amazon MGM スタジオ
制作プロダクション︓BAGGIO
配給︓パルコ
コピーライト︓©2026 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.
映画『⽺の⽪を着たケモノ』は、12 ⽉ 11 ⽇(⾦)より全国公開。
-
東京国際映画祭でアニメ映画『GROTESQQQUE』舞台挨拶開催!錦織敦史監督と市ノ瀬加那、南沙良、乃木坂46(井上和・中西アルノ・一ノ瀬美空・冨里奈央)登壇!
-
渡辺哲初主演映画「OKAERI」クラウドファンディングが最終局面に突入、目標達成後のさらなる展開目指し、締め切りまで残りわずか