6月27日(土)、𠮷田恵輔監督の最新作で一ノ瀬ワタルが劇場映画初主演を務める映画『四月の余白』の公開記念舞台挨拶が開催されました。本作は、非行少年たちと彼らに本気でぶつかる大人の生々しいもがきを描いた作品です。イベントには、一ノ瀬ワタルをはじめ、夏帆、上阪隼人、山﨑七海、そして𠮷田恵輔監督が登壇しました。台風などの悪天候にもかかわらず満席となった会場で、キャスト陣が公開を迎えた喜びや撮影秘話、映画のテーマにちなんだ「何があっても見捨てないもの」への熱い思いを余すところなく語りました。

■悪天候の中での公開に感謝の思い
冒頭、一ノ瀬ワタルは「足元の悪い中、公開された日に台風と地震にあってある意味衝撃作品になってしまったんですけど、こんな満席の皆さんに来ていただいて本当にすごく嬉しいです。今日こんな中来て後悔しないようになんかいい話ができればなと思っております」と感謝を述べました。夏帆も「この台風の中、こんなにたくさんの方に来ていただけてとっても嬉しいです。短い時間ですけど、まさに今ご覧になられた後ということで色々お話できたらいいなと思っております」と挨拶しました。続いて上阪隼人は「足元が悪いところ皆さん来てくれてありがとうございます。本当に今日という日を迎えられたことを本当に嬉しく思います。今日はどうぞ楽しんでいってください」と語り、山﨑七海も「本日は雨の中会場に足を運んでいただきありがとうございます。短い時間にはなりますが、本日はよろしくお願いします」と笑顔を見せました。𠮷田恵輔監督は「僕が作る映画は大体レビュー見ると胸くそ映画とかよく気分が落ち込むって上映後に出づらい空気の映画を作る監督ですが、今回は皆さんの顔見てるとそこまででもなさそうな喋りやすい空気だなと思ってるので、楽しく喋れればと思ってます」と会場を和ませました。

■劇場映画初主演への思いとキャスティング秘話
本作で更生施設「みらいの里」の寮長である西健吾役を演じ、劇場映画初主演を果たした一ノ瀬は、「すごく嬉しいです。こんなに本当に足元がすごく悪い中じゃないですか。でも本当に来ていただいて嬉しいっすね。やっぱ内容的にもなんかこうやっぱ見る人によってはあの見方ができると思うから不安というのもやっぱあるしな」と初日を迎えた複雑な心境と喜びを口にしました。 𠮷田監督は「本書いてる時はこれ誰が見るんだって地味な本だなって自分で書きながら思ったんですけど、こういう素敵なメンバーが集まって出来上がってみたら自分でのもなんだけどちゃんと結構いい映画になったんじゃないかなと思ってるので、こんなたくさんの人に見てもらえると思わなかったので本当に嬉しいです」と喜びを噛み締めました。 一ノ瀬を抜擢した理由について𠮷田監督は、「こういう柔らかい人なつっこい人なんですけど、過去に散々悪いことをしてたキャラクターをやって、何人を殺して何回殺されたか分からない。大体ヤクザとかチンピラとかでね。だからみんなの中で悪役のイメージがあるけど今いい人みたいな。みんなのイメージもそういうイメージなのでぴったりだなと思っておりました」と明かし、一ノ瀬は「いやいや嬉しいっすね。監督がそんな風に褒めていただくなんてありがとうございます」と照れ笑いを浮かべました。
■印象に残ったシーンや撮影現場の裏話
中学校教師の草野冬子を演じた夏帆は、印象に残っているシーンとして占部房子とのシーンを挙げました。「占部さんのカットを監督がすごくテイク重ねてらっしゃったじゃないですか。占部さんってすごく感性でお芝居される方だから、その都度ちょっとずつニュアンスが変わっていく中で多分その調整でテイクを重ねてらっしゃったと思うんですけど。受けてて、すごく胸に響くというか苦しくなって。監督は一体これはいつOK出すんだろうってずっと思いながらお芝居してて、最後にさらにすごいのが出てきたじゃないですか。その時に監督がOKって言って。それを出せる占部さんもすごいなと思いましたし、タイミングというかそれを見極めてる監督もすごいなと思って。とんでもない現場に来たなと思って初日帰ったのをすごく覚えています」と熱く語りました。 それを受け𠮷田監督は「占部さんと夏帆さんって結構2人とも動物的感覚で芝居をする方なので、割とテイクによって温度が違う。だからその分いろんなこっちが思ってないこと出てくる可能性がある人なので、ずっと見たくなる2人でしたよね。逆にこっちにはものすごく技巧派というか、ものすごく同じことを何回やってもぴったり合わせるタイプのその組み合わせが多分すごいいいんですよね」と解説しました。夏帆は監督について「技術でお芝居するタイプかと思ったら、もうちょっと割と感情とかそういう流れみたいなものに自分を乗っけていくタイプの方だったので、見た目とのギャップにあっさり興味が湧いちゃいました。またご一緒したいです」と語りました。

問題行動を繰り返す澤海斗役を演じた上阪は、「初めて親元を離れて1ヶ月間の撮影だったんで、親に会いたいなとか双子の弟が恋しいなとか思ったんですけど、本当に𠮷田組があったかすぎて居心地が良くて。毎日僕を家族のように接してくれて、めちゃくちゃ温かい現場でめっちゃ楽しかったです。元気で天真爛漫にできました」と振り返りました。これに対し一ノ瀬は「上阪くんをやってて、居酒屋のシーンで迷っている時の海斗をすごく俺は印象に残ってるとね。伝わってくる海斗の気持ちというか、海斗の成長が見れた」と称賛し、𠮷田監督も「映画見るとやばそうなやつに見えるけど、めちゃくちゃコミュ力が高くて。現場でも初めましての子供たちがなかなか仲良くなるのに時間がかかる中、上阪くんが誰にでも話しかけてわちゃわちゃ遊んでるので結構みんながそれによって仲良くなれたのでムードメーカーだった。現場の空気作りで助かりました」と上阪の素顔を明かしました。

「みらいの里」で暮らす寮生・詩役を演じた山﨑は一ノ瀬との共演について、「本当に一ノ瀬さん柔らかい人だなと思ってて、怖い人だったらどうしようとか思ってたんですけどずっと柔らかい優しい方だったので演じやすかったというか、一ノ瀬さんのキャラクターがやりやすくて落ち着いてすることができました」と語りました。また、印象に残っているシーンとして「詩と西のラストシーン」を挙げ、「自分は変わってる人だからみんなと同じじゃないってずっと自分は変われないみたいな感じでいたけど、やっとそこで詩の思ってたことだったりとか、まだ変われてなかった部分っていうのが見えてくるシーンが演じてても印象的だったんですけど。裏話なんですけどそのシーン撮ってた時に一ノ瀬さんがどんどんちっちゃくなってっちゃってて。ちょっと申し訳なく感じたというか、もう空気感が、もう多分結構芝居がもう集中しすぎちゃっててもう現場の空気とかも結構張り詰めてたというか」と裏話を披露しました。 一ノ瀬も「あの時の芝居って俺もなんか西が唯一今までこのやっぱ過去をこの武勇伝として語るじゃないですか」と振り返り、山﨑が「テイク重ねるたびに一ノ瀬さんの抱きしめてくれる力がどんどん強くなってって」と語ると、一ノ瀬は「本当にどんどん辛くなってったから。またすごいお芝居されるから本当に」と当時の緊迫した心情を吐露しました。

■テーマにちなんだクロストーク「何があっても見捨てない人・モノ」
映画のテーマにちなみ、「何があっても見捨てない人・モノ」を聞かれた登壇者たち。 一ノ瀬は「今ウサギ飼ってるんですけど、やっぱこのウサギは多分どんなことあっても見捨てないと思うっすね。8匹って大変すけども俺は今そのウサギたちのために頑張ってるというか。だからみらいの里の子たちもちょっとウサギに投影してる部分もあった」と愛情たっぷりに語りました。 夏帆は「猫が2匹いるので猫はもうどんなことがあっても見捨てないっていうのは思ってますけど、あとなんだろうな。少し質問の意図から外れちゃうかもしれないですけど、最近自分の好きな思い出のある映画館が閉館しちゃうっていうニュースを見たりとかして、やっぱり映画は映画館で見なきゃなっていうのをすごく今改めて思ってますね。今日とか本当に皆さんに大きいスクリーンでこの作品を見ていただけてとても嬉しいんですけど、絶対守りたい場所だなって思っています」と映画館への熱い思いを明かしました。 上阪は「見捨てないもの、家族ですかね。やっぱり今までここまで育ててくれた思い出や、どんなことでも見守ってくれてる家族、肯定してくれて自分の背中を押してくれる家族。今日も来てるんですけど、ママありがとう。感謝しかないです」と客席の家族にメッセージを送りました。 山﨑は「私も考えた時に1発目にはこの人だって出たんですけど、ちょっと恥ずかしいなって思いつつここで言っちゃうんですけど、やっぱりマネージャーさんは失いたくないというか、ずっと一緒にいて欲しいなと思ってて。私が役者を始めたきっかけもここに今立ててるっていうのもマネージャーさんとずっと一緒に頑張ってきたからこそ役者の山﨑っていう人物がいるので、やっぱこれからも私が役者を続けていく限り、二人三脚で頑張っていきたいなと思ってます」とマネージャーとの絆を語りました。 𠮷田監督は「子供の頃から映画監督を目指して頑張ってきて今やっと皆さんの前で映画を見せれるようになったので、子供の時に思ってたこの映画への夢みたいなものを冒涜するような映画とかそういう監督にはなりたくないなと思っているので、映画好き少年、𠮷田少年の思いを見捨てないようにこれからも恥ずかしくない映画を作っていきたいと思っております」と力強く宣言しました。
■締めのメッセージ
イベントの終わりに、一ノ瀬は「これから『四月の余白』、いろんな見え方があると思うんですけど、なんか変わりたいと思ってる人の変われるきっかけになればいいし、これが皆さんの何かいいきっかけになればすごくいいなと思っております」と締めくくりました。

夏帆は「とっても見終わった後に誰かと話したくなるような、みんなでこの問題を考えていけたらいいなっていう風に思っております」と語り、上阪は「この作品は見る人によってハッピーエンドだったのかバッドエンドだったのかも変わってきますし、でも本当にこの作品は僕にとっての芸能活動にとってのスタートでもあり本当に1番大きい作品なので本当にありがとうございました」と感謝を述べました。 山﨑も「昨日無事に公開を迎えられてそして本日こんなに多くのお客さんと一緒に映画についてお話をして本当に楽しかったです。この作品がもっと多くの人に見ていただいて愛されるように、私たちも宣伝だったり色々頑張っていきたいと思います」と笑顔で語りました。 最後に𠮷田監督は「秋に僕もう1本『メンター』という作品が公開されます。それがこの『四月の余白』とちょっと兄弟というか、連作みたいな感覚の映画なのでそっちも是非見て欲しいのと、この『メンター』に出てるキャストのファンの方って多分いらっしゃると思うんで、その方も予習としてこっちを見とかないといけないので、是非そっち系のファンの方たちもこの映画を見てくれればと思っております」とアピールし、大盛況のまま舞台挨拶は幕を閉じました。

映画『四月の余白』
【出演】
一ノ瀬ワタル/夏帆 上阪隼人 篠原 篤 占部房子/山﨑七海 和田 庵
髙田万作 松木大輔 小沢まゆ パトリック・ハーラン
【監督・脚本】𠮷田恵輔
【配給】アークエンタテインメント
©2026 N.R.E.
2026 年6月 26 日 新宿ピカデリーほか全国公開