映画『正しいアイコラの作り方』坪根悠仁(富岳三郎 役)「みなさんの支えがあったからこそできた主演作」

映画『正しいアイコラの作り方』坪根悠仁(富岳三郎 役)「みなさんの支えがあったからこそできた主演作」

2月10日(土)から、池袋シネマ・ロサにて映画『正しいアイコラの作り方』が公開。本作の主人公・富岳三郎 役として主役を務める坪根悠仁さんにインタビューのお時間をいただき、本作出演の経緯から撮影時のエピソードをうかがいました。

正しいアイコラの作り方

■映画『正しいアイコラの作り方』主演・坪根悠仁インタビュー

▼本作出演の経緯

-本作出演に至るまでの経緯を教えてください。

坪根悠仁
今回に関しては、オーディションというより、面談という形で実際にお会いしてお話して…という経緯で出演が決まりました。

-お声がけいただいた後、実際にお会いして…という流れがあったと思うのですが、そのときにどんなお話をされたのでしょうか?

坪根悠仁
「下ネタが割と多い作品なので、その辺は大丈夫ですか?」というのは何度も聞かれました。「出演していただけますか?」というのは、何度も言っていただいて、僕も「是非やらせていただきたいです」と答えていました。

▼オファー、出演が決まっての感想

-確かに下ネタが多いですものね。役者としてのイメージもあるでしょうから、監督としても気にされるところだったのではないかと思います。オファーされて、出演が決まって、喜び・驚きなど、感想はいかがでしたか?

坪根悠仁
やはり初めての主演作品・映画ということもあって、僕が目指していた目標の一つでもあったので、神谷監督からお声がけいただいて、めっちゃくちゃ嬉しかったです。

-主演になったら、こうしてみたいとか、そういった意気込みなどはありましたか?

坪根悠仁
今までと違って、やはりセリフ量もとても多いですし、全体を見る視野ももっと広げていかないといけないと感じていたので、とにかく頑張ろうと。
また、長いセリフの量を撮影が始まる 何ヶ月前までには覚えておいて、 そこから繰り返しやっていこうと準備しました。

▼最初に脚本を読んだ時の感想。完成した作品を観た時の感想

-今回の作品は、コメディ、ミステリー、恋愛など、かなり面白い作品でしたが、脚本を最初に読んだときの感想と、撮影を終えて、完成した作品を観た時の感想を教えてください。

坪根悠仁
最初に脚本を読んだときの感想は…
内容が詰め込まれ過ぎていて頭がごちゃごちゃになりました。
最初はごちゃごちゃになっていましたが、最後に最初に投げかけてた投げかけていた伏線がすべて回収されて綺麗に収まった印象は読んでいてありました。そこは観る人にもわかりやすく、意識して演じたいなというのは、最初に脚本を読んだときの感想としてありました。

完成した作品を観た時の印象としては…
脚本をそのまま言語化…ではありませんが、思っていた世界観通りだなと終わった後思いました。いろいろと反省点はもちろんあるのですが、割とそういった意味でのギャップはなかったかもしれません。

▼主演を務めてみての感想

-映画での初主演を経験してみていかがでしたか

坪根悠仁
やはり大変でしたね。
大変だったんですが、それよりも、達成感とか、みなさんの支えがあったからこそできた主演であり、作品であったので、すごく嬉しかったですし、やはり想像以上に視野を広げて演じなければいけないなっていうのを感じました。
今まで出演してきた作品ではいくつかある話の中の第何話とか、数シーン出演などが多かったので、一つの作品の要になるって考えると、最初は ものすごくお腹が痛くなるぐらい緊張していました。
その後、撮影が始まったら、本当にスタッフの皆さんが優しくて、協力し合ってできた作品なので、思い入れもすごくありますし、初めての主演作が、神谷監督と作り上げた『正しいアイコラの作り方』で良かったと思いました。

-共演された髙石さんや花音さんからも、しっかりと主役として、頼りになる役として立ち振る舞っていたという話がありました。

坪根悠仁
不安で押しつぶされそうでしたけども、共演した2人や他のキャストさん、スタッフさんに僕は支えてもらいました。特に演技経験が多い髙石あかりさんには引っ張ってもらった感じがありました。

-若い2二人と、二人よりも映像への出演経験が多い髙石さんがいい感じに融合している感じがありましたね。

坪根悠仁
本当に助かりました。そのおかげもあって、みんなでチーム一体となって最後まで頑張れたので、よい作品になっているのではという実感があります。

ーいい初主演作になりましたね。インディーズ作品ならではのよさがありますよね。

坪根悠仁
そうですね。すごく雰囲気が好きだったので、僕は最後まで楽しく撮影することができました。この作品って贅沢じゃないですか。いろいろな要素が詰まっていて。だからすごく好きで、僕は最初に脚本を見たときに、小説っぽいと感じたんですよね。
あとは何よりも セリフの量の多さですね。だからそういった小説が好きな方には、すごく刺さる作品なんじゃないかなと感じてます感じています。

-上映される池袋シネマ・ロサの客層にもすごく合っている気がします。

坪根悠仁
僕もそうだといいなと思っています。

▼山形ならではの印象に残ったこと

-山形での撮影が特徴だったと思いますが、山形ならではの印象に残っていることはありますか。

坪根悠仁
僕は今回初めて山形に行ったんです。東北自体が初めてでした。
今回、撮影を秋から冬にかけて3回に分けて撮影しまして、東北ならではだと思うのですが真冬はやはり寒かったです。
あとは山形の景色が本当にきれいでした。撮影が始まる前はとても緊張してたんですが、山や田んぼがあり、畑での撮影や雪の中での撮影もあったので、僕も田舎育ちなので親近感といいますか、緊張が和らいで、リラックスして撮影に臨めました。山形にはまた行きたいですね。ご飯も美味しかったです。

-山形は芋煮が郷土料理として有名ですよね。

坪根悠仁
この作品でも、言葉だけ出てくるんですけども。
世界規模のお祭りというか大会があるそうですね。

-ちいさなショベルカー(参考:調理器具バックホー https://imoni-fes.jp/about_imoni_festival/backhoe_cooking/)のような重機ですくうそうですね。

坪根悠仁
はい、その話を現場に行く間のタクシーの運転手さんに、ショベルカーを使う規模でイベントを毎年やっていることを聞きました。
心残りとしては、現地・山形の芋煮を食べたかったなっていうのがあります。

ー山形で上映して、その際に芋煮を食べられるといいですね。

▼共演したお二人の印象、お芝居をしての感想

-共演者のお2人の印象だったり、芝居をしての感想をお願いします。

坪根悠仁
作品で絡むことは、花音さんも髙石あかりさんも初めてでしたが、事務所が同じというのもあって、緊張ややりにくさみたいなものは全く感じず、お2人に僕は引っ張ってもらいました。
ふたりとも自然にお芝居をされるので、僕もそれに乗っからせていただけたなっていうのもありますし、あかりさん本人も、演じた剱鈴も、めちゃくちゃ明るいキャラクターで、お芝居していて僕はすごく楽しかったです。
僕が演じた三郎はそんなに明るいキャラクターでもなかったので、あかりさちゃんとのシーンはすごく楽しく撮影することができました。
花音さんは、事務所内の演技レッスンで、何回か一緒にレッスンを受けたことがありました。その頃からお芝居を2人でやったりしていたので、現場でも緊張することなく自然な感じでお芝居ができました。
この映画を一緒に作り上げることができたのは 2人のおかげです。ピリッとした空気ではなく、和気あいあいと楽しく撮影させていただきました。

▼撮影時のエピソード

-撮影時の思い出やエピソードはありますか。

坪根悠仁
セリフに加えてナレーションもあって僕自身は結構いっぱいいっぱいだったんですけど、撮影時に印象に残っているのは、タクシーのシーンです。
剱鈴を無理やり乗せて、「とりあえず出してください!」というシーンは一発撮りだったんです。山形の街を運転手の方が実際に運転してくださる中でお芝居をしていたんです。すごく不思議な感情というか気持ちでした。
普段はセットや、車が動かない中で撮影することが多かったので、初めて山形の町並みを見ながら、一発撮りで撮影するという、神谷監督ならではの現場で印象に残っています。

あとは雪の多さと綺麗さですね。

-髙石あかりさんからも、雪の降り方が途中で激しくなって大変だった話がありました。

坪根悠仁
そうなんです。1回、雪が降りすぎて撮影を中止したんです。これは撮影できないなってなって、その時は大変でしたね。

▼大変だったナレーション録り

-大変といえば、撮影中か撮影後かわかりませんが、早口のナレーションの収録は大変だったのでは?

坪根悠仁
さっきから大変大変ばっかり言って申し訳ないんですが、この作品の中で一番大変でした。

-監督からも3時間以上かかったという話を耳にしました。

坪根悠仁
そうですね。ナレーションは一気に最後にまとめて撮ったんです。ナレーションの参考にしていた作品が監督にはあったそうで、そういう感じにしてほしいという指示がありました。かなりの早口で喋って欲しいということで、最初、僕は早口で喋っていたつもりでしたが、「それじゃ遅すぎる」との指摘を受けて、
感情とかはあえて込めずに、情景だけを伝えることを淡々と早口で喋ることを意識しました。

ー早口かつ聞き取れて、感情というか何らかの表現が伝わってくるところがありました。

坪根悠仁
伝えたいワードを強調してみたり意識しながら 録りました。

-あのナレーションに字幕をつけるとなったら読み切れない人が続出して大変なことになりそうですね。

坪根悠仁
あのナレーションがあるからこそ、この作品が成り立っていることを感じています。すごく情報量が多い作品なので、編集で切らなかったら3、 4時間ぐらいの長さでも足りないぐらいの情報だと思います。
それをコンパクトにまとめたので、ナレーションがとにかく大事だと思いました。だから、お客さんはちょっと大変かもしれないんですけど、目の情報も含めて すごく楽しめるんじゃないかと思います。

▼お客様へのメッセージ

-映画を観に来るお客様向けのメッセージをお願いします。

坪根悠仁
見どころがたくさんあるんですけれども、全体でキュッとまとめると、他にはない系統の作品だなと感じていて、ミステリー、青春ラブコメ、コメディ、下ネタもオンパレードの作品って、なかなか少ないと僕は思っています。
それだけでも面白いと感じてもらえるのではと思います。それに加えて、ナレーションの量がすごい多い中で、それを聞き取りながら観るという意味で、先ほども話したのですが本当に情報量が多い作品だと感じています。
なので、1回劇場に来た方は多分2回3回観たくなるんじゃないかなと思うんです。話の流れは全体的になんとなくわかるけど、もっとちゃんと細かく観たくなると思うので、だから繰り返し楽しめる作品というのが見どころだと思っています。ぜひ劇場に足を運んでほしいです。

-この情報量全てを受け止めるために、3人のキャラクターのそれぞれの立場になってみたり、いろいろな楽しみ方がありそうですね。ありがとうございました。

▼冒頭5分間映像


『正しいアイコラの作り方』

出演:坪根悠仁 花音 高石あかり
菅生直也 古林南
大石菊華 新良貴優士高橋和心 井上慶人


監督・編集:神谷正智 脚本:神谷正智・神谷正倫 原作:水月一人『正しいアイコラの作り方』
撮影: 山田 笑子 照明:蟻正恭子 録音: 織笠想・渡部雅人 音楽: 永井カイル (THANEON LILY)
制作:佐藤哲哉・神谷正智・神谷正倫

2024年/日本/126分/カラー/DCP
公式サイト https://sorekara.wixsite.com/tadakora

■公式 SNS アカウント
・X(旧 Twitter) @tadashiiaikora
・Instagram tadashiiaikora2024


2023年2月10日(土)より池袋シネマロサにて四週間限定公開、順次全国公開

正しいアイコラの作り方

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