映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』の完成披露上映。「”2”つくるの?」「ふたりにかかっているからね」

映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』の完成披露上映。「”2”つくるの?」「ふたりにかかっているからね」

2024年2月25日(日)、テアトル新宿にて、映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』の完成披露上映会が行われ、上映前に舞台挨拶が行われた。登壇者は、井浦新、東出昌大、杉田雷麟、芋生悠、井上淳一監督。司会は『止められるか、俺たちを』の1作目の白石和彌監督が務め、本作制作のエピソードを披露した。

■ 映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』完成披露上映会舞台挨拶

▼初めのあいさつ

白石和彌監督(司会)
こんばんは。『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』の完成披露上映会にお越しいただきどうもありがとうございます。
今回の映画にはあまり関わってはいないんですけれど、なぜか今日 MC という立場でちょっとお手伝いさせていただきます。

井浦さんから簡単なご挨拶をお願いします。

井浦新
はい、皆様、本日は足を運んでくださいましてありがとうございます。若松孝二監督役を演じました井浦新です。よろしくお願いします。

若松孝二監督をご存知の方もいらっしゃるか、名前を聞いた方もいらっしゃるかもしれません。僕を俳優・井浦新として育ててくれた大切な恩師です。その大切な恩師を演じるという最大のギャグを皆様、これから観て楽しんでいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

白石和彌監督
………<井浦さんから東出さんに続く流れと思い、しばしの間が空いて、井浦さんからツッコミが入る>

はい、続きまして。東出昌大さん。

東出昌大
名古屋の劇場シネマスコーレの支配人木全を演じました東出です。
木全さんがインタビューの中で語ってらっしゃった言葉なんですけれども、問題提起とか、社会問題とかいろいろ難しい…考える日本映画も結構多い中で、この映画は笑えるところもあればホロっとするところもある、爽快な気分が軽くなる映画に仕上がったと木全さんも僕も思っております。だから今日は劇場で隣のお客さんにあまり遠慮せずに笑えるところがあれば腹から笑っていただけたら幸いです。短い舞台挨拶になりますがよろしくお願いします。

白石和彌監督
次は、芋生さん、よろしくお願いします。

芋生悠
こんばんは。金本法子役の芋生悠です。映画監督を目指している女の子の役をやらせていただきました。この作品は本当に映画愛と映画館愛にあふれた本当に熱い映画になっています。
 ぜひ笑っていただいて、最後にはちょっと熱いものを感じていただけたらいいなと思っています。今日はよろしくお願いします。

白石和彌監督
杉田さん、お願いします。

杉田雷麟
はい。本日は本当にありがとうございます。お隣の井上監督役を演じました杉田雷麟です。
本当に気楽に見れる映画だと思ってます。本当に楽しんでいただけたら嬉しいです。今日は短い時間ですがよろしくお願いします。

白石和彌監督
井上監督、お願いします。

井上淳一監督
監督の井上です。<若き日の井上監督役の杉田さんを指さし>使用前・使用後なんですが、 8年前白石さんから東中野ミスタードーナツに呼び出されて、「若松さんの映画を撮ろうよ」と言われた形が一作目を経てこういう形になりました。
今日白石さんの司会でこんなふうにこの場を迎えられて光栄です。楽しめる映画になっていると思います。楽しんでください。

▼トークコーナー

◆まさかの続編、そして、懸念…

白石和彌監督
ここからちょっとトークをしていきます。まずまさかの続編ということなんですけど、新さん、最初に聞いたとき、やりますよっていう話を。

井浦新
僕は最初にやっぱり、白石監督の顔が浮かびました。白石監督はどう思ってるかというのがまずありました。今日ここにいてくれてほっとしてます。
それで白石さんと井上さんの仲が悪くなったりしたらどうしようかなとか。

井上淳一監督
だけど、新さんと同時に白石さんにも電話したんで、「お願いします」って。
大丈夫だよね?

白石和彌監督
いやもちろん大丈夫です。

井浦新
でもね、最初にきっと、井上監督も本が大きく変わっていったので最初に立ち上がったとき。 そのとき、井上さんあれですよね?
「若松監督役を1日仕事でいいんで、お願いします」みたいな感じだったんですよね?最初。

井上淳一監督
そうなんです。もっと言うなら、「電話の向こうの声でもいいですから」みたいなことを言いましたからね。

井浦新
それに逆に僕がすごい腹が立って、「若松監督を演じるって、そんなに易くない。やるならもうとことんやらせてください」みたいな話をしたら、それを本気にとって。もうすごく大変なことになっていって、この作品ができてしまったっていう感じです。

最初は、どこかで”1”というか…。

<会場に問いかけ>

『止められるか、俺たちを』(1作目)を観てくださってる方いらっしゃいますか。

<多くの人が挙手>

おぉー!

井浦新
いや、すごい嬉しいですね、白石監督。
『止められるか、俺たちを』のときは本当に葛藤しながら、このオファーを受けて、数ヶ月間、音信不通になったりとかいろんなことをしながら若松プロ、白石さんに迷惑をかけないと“これはただじゃできない”みたいなテンションだったんですけど、本当にそのときの方が演じることに対してというか、この作品を作ることに対して、本当に葛藤はあったんですけども。

 今回の青春ジャックでは、どこかでまた若松監督に演じる中で会えるんじゃないかなっていうそういうちょっと喜びみたいなものがあったので、スムーズに撮影にも向かっていけました。

◆“2”をつくるにあたって、東出さんが井上監督におくったメッセージ

白石和彌監督
東出さんはシネマスコーレの木全さんという、一緒に若松さんと映画館を作った方を演じたわけですが、 最初に本を読んだ感想やオファーを受けた時はどんな感じでしたか?

東出昌大
オファーを受けたときは、「”2”、やるの!?」って思いました。

というのも、僕も「止め俺1」のファンだったんです。熱量と俳優部の眼と、本当にいろいろなオールスタッフのね、情熱を感じて、迫力がすごかったので、シネマスコーレの木全さんと若松さんの関係を知る方々いろんな人たちに話を聞いたら、「いやぁ、破天荒な若松孝二とずっと何十年もやってた木全さん、それはそれでまた老獪な人だ」っていうお話を伺って、「そっか…」と思って台本をいただきました。


やっぱり台本を初めて拝読したときも葛藤がありました。それは白石さんが撮った“1”の重みっていうのもあるし、“2”はメガホンを取るのが井上さん。井上さんはもちろん“1”も台本を書いていらっしゃるんですけれども、井上監督になるので、これが“二番煎じ”と言われちゃ絶対イヤだ。けど、“1”の魅力を踏襲した、同じ方向性ということではないと直感的に思ったので、「新しい魅力のものになれるんでしょうか?」って言うのは、直訴というか直接お伺いを立てて、「『止められるか、俺たちを2』っていう名前じゃない方がいいんじゃないか?」とか、いろいろなことを言ったんですけれども、ただ映画って、様々な魅力いろんな角度があって、“止め俺1”の白石さんのバージョンは、白石さんの情熱、皆さんオールスタッフ、役者の情熱が詰まった傑作になったと思うんですけど、“2”は“2”で、別の映画人たちの愛情がこもったものとして結実したと僕は思っております。

“1”のファンの方は先ほどいっぱい手を挙げてくださったんですけど、また“1”とは違う魅力だと思って見ていただけたら幸いです。

白石和彌監督
ありがとうございます。
井上監督、今の東出さんの話を聞いていかがですか?

井上淳一監督
いや、本当に第一稿のときにそういうメールをいただいたんです。

「前作が好きなので、あの熱量に拮抗するためにはどうやったらいいか、想像の羽を大きく広げて、これからこの台本と向き合いたいと思います。」というメールだったんです。

それが届いた時に、「これは面白くないって言われたんだ」って本当に思って、そこから本当に目の色が変わりました。だから東出さんにはものすごく感謝してます。そのメールをいただいたことに。

◆二人はお向かい同士

白石和彌監督
なるほど、では、杉田さん。

なかなかの難役ですよね。隣に演じなきゃいけない人がいるという。どうでしたか、脚本を読んで。

杉田雷麟
最初にもらって読んだときはやっぱり緊張というかプレッシャーが大きくて、やっぱりご本人の前で本人を演じる。本人から「それ、僕じゃないよ」って言われたら、もう何も言い返せないじゃないですか。なのでちょっと緊張しつつ…。

撮影の前に『福田村事件』という映画の撮影をやっていて、そこで部屋も前で。

井上淳一監督
そうなんだよ、ホテルの部屋が廊下をはさんで前同士で、僕はそこで馬鹿だと思われたらどうしようと思ってものすごく緊張したんです。

杉田雷麟
でもそこで僕は現場でも、信頼関係をつくることができたなと思っていて。なので現場に入るときは、余計な緊張はせず。もう僕に任せてくれたし、僕は僕なりのことをして、あとはもう監督に託そうと思ってたので、すごく入るときは楽にできました。

◆芋生さんが演じた人物像について

白石和彌監督
芋生さんは、この作品の中で架空の人物ですよね。脚本を読んで、自分の役割ってどんなことなんだろうなと考えましたか

芋生悠
そうですね。その当時、女性監督ってなかなかいなかったりとか、あとは在日っていう背景があったりとかして、その時代は割と在日の方が差別を受けたりとか、指紋押捺拒否があったりとか、時代背景を通して、金本が葛藤をかなり抱えて生きてるんだなっていうのがあったので、井上少年と私の存在っていうのが、その若者2人が、切磋琢磨、ライバルとしてもバチバチやり合っていくっていうのが結構大きいのかなと思ってたので、ずっと井上少年をもう目の敵のようにみていましたね。

白石和彌監督
あの役割を入れた意図は、井上さんはどういった意図があるんですか?、

井上淳一監督
ちょっと真面目な話をすれば、あの頃って女性監督ってほとんどいなかったし、それまでの時代にもいなかったわけですよ。シネマスコーレのバイトですら実は全員男だったって、つい最近まで僕は、男だっていう大きな下駄を履いて生きてきたことを気づかなかったんですね。それぐらいの感じで。

だけど、だから今のこの時点で80年代半ばをやるときに、やはりそのちゃんとした女性の目線、その中で、息苦しく感じている方の目線で、僕たち男の存在が、ちょっと真面目に言えば相対化できないかなと思いました。

◆撮影現場の様子

白石和彌監督
実際、撮影現場は、新さん、どんな感じだったんですか。

井浦新
 井上監督率いる組は、白石組とは全然空気も違くて、やっぱり良かったのは、とっている井上さんが一番楽しそうにしてる姿が本当によかったなって思いますね。

『止められるか、俺たちを』の白石組では、白石監督と若松監督と一緒にやっていた技術チームが 入っていて、今回は井上監督の盟友たちが集まってきて、技術チームは作られてます。組が。だから、その中で井上さんが本当に一番楽しそうに、なんなら、声を出して本番中に笑っちゃったりとか。

僕が若松監督役として芝居で「おい、井上!」っていうと、「はい!」って本番中に返事が返ってくるんです。

井上淳一監督
もうね、スタッフが笑うんで、本番中にこいつらはなんで笑ってるんだろうと思ったら、僕が返事をしていたんです。

井浦新
「いま、どこから返事が聞こえたんだろう?」みたいな。

そういう芝居の邪魔を監督自らしてくるとかっていうのも含めて、本当にこれが井上組なんだなっていうのをとても空気の良い和やかな。

でもやっぱり、やっていることはみんなビリビリしてやってるんで、そのバランスはとても良かったとおもいます。良い現場でした。

◆東出さんからの杉田さん・芋生さんへの接し方、アドバイス

白石和彌監督
東出さんはどうですか。東出さんも『福田村事件』からの流れで参加されていますよね。

東出昌大
井上監督は、もうめちゃくちゃ映画少年ですよね。喜々として、現場でいろいろ楽しんでいらっしゃって、映画の方でも撮影の順序で最後の方にあるシーンで、そこで「よーい、シュート!」って怒鳴ったんですよ。スタートの掛け声を。

これ、若松さんの掛け声だったんです。それを聞いてビリリッと、背筋に電気が走りながら芝居をして、終わった後に、「わぁ、青春してんなぁ…」って、監督もだし、現場も青春していました。

あとは、いま僕の両隣にいる若い2人が、芝居にも悩むし、映画ってどうやったら面白くなるんだろうって、ご自身も演じながら悩んで、その姿がもうキラキラしてたので、僕はやっぱり木全さん…ニコニコしながら「いやいやいや」って言ってる木全さんが憑依してるのでもうこの人たちの何かバックアップに回ろうと思いながらニヤニヤしてました。

白石和彌監督
その感じがやっぱりすごく映画に出ていますね。
杉田さん、今の東出さんの言葉をききましたが、悩みながらやられてたんですか?

杉田雷麟
そうですね現場でお2人にすごいアドバイスをもらって、井浦さんには、「もっと楽で自由でいい」って言っていただいて、東出さんにも「滑舌だったりとか、動き方をそんなに堅苦しくやらなくていい」っていわれました。

結構、アドリブとかも入れていただいて、すごくこっちが楽になるような感じでやっていただいて、現場自体も、技術スタッフさん、カメラさんとか照明さんにもうすごく素晴らしい環境を用意していただいて、僕らもそこに入って、自分のできる限りのことをやれる場所を作っていただいたので、本当にお2人に助けられた現場でした。

◆「ふたりにかかっているからね」

白石和彌監督
芋生さんはどうでしたか?

芋生悠
私は井浦さんから、「このふたりにかかってるからね」って言われて、「負けんなよ」って言われて、そこからあまり杉田さんとは喋っていなかったんですよ、現場では。

でも内心結構2人バチバチで。仲が悪いとかじゃないんですけど、「絶対に負けないぞ」という気持ちでぶつかったし、それは本当に何かその言葉があったからだなって思います。

東出さんには、私がなかなか感情と体が一緒に付いてこなくて、なかなか自由になれないときに「どうしたらいいですか?」って聞いたら、「いいこと聞いてくれたね」って言って。

東出昌大
おれ、そんなこといった?

芋生悠
「場所を自由に動いてみて、それでセリフとか一回忘れて、ただ、もう何も考えずに動いてみなよ」って言われて、やってみたら本当に全然見える景色が変わって、新鮮な気持ちでやれるというか、もう全く違う世界になったんですよ。

それで本当に東出さんのおかげで、そのシーンが完成したというか、そのときも井上さんに「自由に動いてみてもいいですか?」って聞いたら「いいよ」って言ってくれて、カメラマンの蔦井さんとかがどしっと構えてくれて、本当に私と杉田くんがバーって自由に動いてるところを蔦井さんが撮ってくれて。もう最高の現場で…

◆井上監督から白石監督への問いかけ

白石和彌監督
いやあ、もう最高の現場だったんですね。クランクイン直前に僕、井上監督に呼び出されまして、何かなと思ったら、「白石…映画ってどうやって作るの?」っていう相談を受けたんです。「いい現場だったじゃないすか!井上さん」

井上淳一監督
白石さんと星野珈琲でね、3時間ぐらい「最初からどうやって撮ればいいの?」とか。

白石和彌監督
「“よーいスタート!”ってどのタイミングで声かけんの?」って、そういうところから…

井上淳一監督
いや、本当にそれを聞いて、結局現場で私、別に何もしてないんです。
本当に皆さんに助けられて。だって聞いていればわかるでしょ。僕、「いいよしか」言ってないですからね、本当に。
いやもう本当に助けられました。皆さん、ここの4人だけじゃなくて、全てのスタッフキャストにですね。本当に。

白石和彌監督
いやぁ、本当にいい現場って、映るんだなというふうにちょっと感じました。

▼締めのメッセージ

白石和彌監督
最後に一言ずつ、新さん、まず、お願いします。

井浦新
はい。これからですもんね皆さん。
でも本当に楽しく見れる面白い映画ができたと思います。
『止められるか、俺たち2』
ここにこれから、このスクリーンに映る井上少年っていうのは…あと、前作の『止められるか、俺たちを』のときのめぐみさん。

めぐみさんや井上少年っていうのは何か、きっと自分でもあるし、きっと、この今、これから映画を観る皆さんでもあると思っています。

タイトルの意味を僕はこの作品に関わってからずっと考えてきていて、『止められるか、俺たちを』…

なんかそう考えると、若松孝二監督や、そっち側の本当に漫画のような人生を送ってきた、無茶苦茶な人たちが言ってるように、言ってるその人たちを表してる言葉のようにも聞こえるんですけど。

もしかしたらこれ、僕らに言われてる言葉だなと思ったら、「止まってんじゃねえよ、お前ら」って言われてるんじゃないのかなって。そういうタイトルなんじゃないのかなってちょっと思ったりもしています。

だから、それは人でもあり、この世の中でもあり、変わっていきながらも、やっぱり人は、 止まっていちゃいけないんだなっていうふうにすごく思わされる、そういう『止められるか、俺たちを』の前作だったと思いますし、今作も、もう時代も違うし、同じキャストは、若松監督を演じている僕ぐらいです。なので物語としても全然違うものなので、初めて“2”…じゃない。『青春ジャック』から観ていただく人も安心して楽しめると思います。

 ただ、観見終わったときに、皆さんの心の中に何か火種が灯っていたら、とても嬉しいなと思います。ぜひ最後まで楽しんで、映画を観てください。ありがとうございました。

<東出さんが締めになるように、東出さんからひとことあり>

白石和彌監督
では、杉田さん。

杉田雷麟
はい、本当にこの映画を観て、自分の中でちょっと共感するところだったりとか、青春を思い出したりとか、さっき井浦さんもおっしゃってたんですけど、火種だったり、これからっていうこういう気持ちだったりっていうのが…そういう気持ちになるような映画だと思います。本当に気楽に観ていただけたら嬉しいです。

芋生悠
短い間でしたがありがとうございました。
私はインディーズ映画で育ってきたので、映画とか映画館にすごくお世話になってきて、恩返しをしたいっていうのがずっとあって なのでこの映画の中でその恩返しの一つができていたらいいなと思ってます。
本当にここにいる皆さんで、もう一生懸命、全力で気持ちを込めて作りました。青春をしていると思います。「映画っていいな、映画館っていいな」と思って帰ってもらえたらいいですし、何か自分ごとのように、「あのとき楽しかったな」とか、自分の人生を振り返って、「ああ楽しかったな」と思いつつ、「もう1回ちょっと挑戦してみようかな」とか、少し勇気をもらって帰ってもらえたらいいなと思っています。今日は本当にありがとうございました。

井上淳一監督
僕が先に言います。僕は宣伝だけをするんで。

すいません。いつも若松プロ、宣伝しかしません。

パンフレットを作りました。マーティン・スコセッシの新作でもパンフレットが作られない時代に、馬鹿みたいに124ページあります。それを何とか1000円で作って、今日はサイン会ができないんですけども、事前に全員ここにいるメンバーでサインをさせていただいたんで、ぜひお買い求めください。

それから前作に続き、新さんデザインの、裏はですね80年代の若松プロがやった映画のTシャツです。
ちょっと4000円と、お高いですが、ぜひこれを着て、皆さんにこの映画の応援隊になったつもりでですね、これを着て街を歩いてください。

井浦新
原田芳雄さんも内田裕也さんも、みんないます。

井上淳一監督
若松さんもいます。新さん、ありがとう。

さっきと同じです。本来はですね映画って、ここにいる4人のキャストや監督だけで作られるわけじゃなくて、多くのスタッフ、キャスト、ボランティアスタッフによって支えられています。配給宣伝、劇場の方々全てです。本来ならここで1人1人の名前を呼びたいんですけど、今日時間がないんで呼べません。2人だけ。
まずは再三名前が出ている撮影の蔦井孝洋。今日もですね、オフィシャルカメラを回しています、蔦井孝洋、あそこにいます。ありがとうございます。

もうひとかた、この映画を見ていただいたらですね、再三、滝田洋二郎という名前が出てきます。今日、滝田洋二郎監督がいらっしゃっています。滝田監督、一番後ろにいらっしゃいます。ありがとうございます。

この映画は我々の宣伝規模でどれだけ届くかわかりませんので、ぜひ今日観て、もし心に引っかかったら1人でも多くの方に伝えてください。どうもありがとうございました。

東出昌大
映画に取り憑かれた人たちが僕は映画人だなと思います。井上監督も若松さんのところに若いうちから出入りしながら、興行的に振るわなかったり、それでも映画の批評をなさったり、自身でも作って脚本を書いて、「いい映画を、いい映画を」と、求めて求めて、人生の…今この一本をバーンと作ったっていうのは、映画人としての信念とか愛だなと思います。

その映画が非常に僕は爽快な娯楽映画になったと思ってます。

先ほど新さんがおっしゃったことと重複するんですけれども、“1”を知らなくても、また若松孝二とかその時代の周りの人々を知らなくても楽しんでいただける映画になったと思いますので、皆様の帰りの足取りが軽やかだといいなと思いながら、舞台挨拶を終わらせていただきたいと思います。本日はありがとうございました。


舞台挨拶の直前、井浦新さんはパシフィコ横浜で開催されていたカメラ・写真の祭典「CP+ 2024」のトークイベントに登壇。
愛機であるハッセルブラッドのカメラ「X2D 100C」を手に海外での街撮りスナップや、登山時の写真を紹介。

井浦さんは『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』の撮影現場では、Leica M10-Rを使って、杉田雷麟さん、芋生悠さんをはじめ、撮影をされていたそうです。
杉田雷麟さん、芋生悠さんの2ショットインタビューを後日掲載いたします。


■ 映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』

▼予告編

今回解禁の予告編では、若松プロに弟子入りしながらも苦悶する若き日の井上監督自身(杉田雷麟)と、それに対峙する劇場アルバイト(芋生悠)。そんな若者たちの葛藤とともに、若松監督(井浦新)と木全支配人(東出昌大)ら、「映画をつくること」「映画を届けること」の難しさに打ちのめされながらも、映画をあきらめない大人たちの姿が映し出されている。今より人と人の距離が近かった時代。失敗が許され、何度でもやり直せた時代。この映画はそんな時代をノスタルジーに溺れることなく、現代にも通じる普遍の物語として描き出した。
音楽は「黒猫チェルシー」解散後、多岐にわたって活躍するミュージシャン宮田岳が映画音楽に本格的に挑戦。新生・中野ミホが歌う、宮田が本映画のために書き下ろした主題歌からは、時代を超えた切なさと希望が伝わってくる。

▼井上淳一監督コメント

井上淳一監督
コロナ禍で危機が叫ばれたミニシアター。どうにか入る映画を作って、ミニシアターを応援したいとずっと願ってきた。そう願って作った映画が図らずも師・若松孝二がミニシアターを作る話になろうとは。残念ながら、我々が作る規模の映画は、届く人にしか届かないのではなく、届く人にも届かない。
こういう映画があるということすら知られることなく、ひっそりと消えていく運命にある。せめて映画の顔である予告編だけでも面白いものを作りたいと四苦八苦した。出来上がったものが、果たして映画の魅力を伝えているか、確信はない。しかし、公開まで 3 ヶ月弱。これが我々の顔になる。本編を観てもらう前にまずは予告編を観てもらいたい。ミニシアターを応援するために作った映画が入らずに、ミニシアターの足を引っ張ったのではシャレにならない。ミニシアターの危機は未だに続いている。それを伝えたい。伝えて欲しい。この映画に限らず、ミニシアターに足を運んで下さい。


■ 『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』

井浦 新 東出昌大 芋生 悠 杉田雷麟
コムアイ 田中俊介 向里祐香 成田 浬 吉岡睦雄
大西信満 タモト清嵐 山崎竜太郎 田中偉登 髙橋雄祐 碧木愛莉 笹岡ひなり
有森也実 田中要次 田口トモロヲ 門脇 麦 田中麗奈 竹中直人
脚本・監督:井上淳一
企画:木全純治 尾崎宗子 井上淳一 プロデューサー:片嶋一貴 木全純治
音楽:宮田岳 撮影:蔦井孝洋 照明:石田健司 録音:臼井勝 音響効果:勝亦さくら
美術:原田恭明 装飾:寺尾淳 衣装:橋爪里佳 鈴木沙季 ヘアメイク:清水美穂
編集:蛭田智子 助監督:小原直樹 製作担当:伊藤成人 演出応援:村谷嘉則

公式サイト http://www.wakamatsukoji.org/seishunjack/

2024 年 3 月 15 日(金)テアトル新宿、アップリンク吉祥寺、シネマスコーレ
シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開!

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